蘇州夜曲 / 山口淑子
♪水の蘇州の花散る春を 惜しむか柳がすすり泣く
この曲は、とにかく美しい。
平原綾香、ASKA等、多くの人がカバーするのもわかる気がします。
こんなにも美しい曲なのに、残念ながら、歌う事自体タブーとされていた時期があるという事で(理由は割愛させて頂きます)、歴史に翻弄された名曲でもあります。
ちなみに、僕も音楽活動しているときにはライブで2~3回カバーしています。
山口淑子が映画「支那の夜」の中で歌っていて、後に霧島昇・渡辺はま子のデュエットで歌われています。
歌詞は映画とリンクしていて、恋人同士の淡い思いと、その関係にやがて終りが来る事を案じている内容になっています。
美しくも、切なく儚いです。
僕がこの曲を知ったきっかけが、渡辺はま子を題材にしたドラマでした。
薬師丸ひろ子が渡辺はま子役だったと思います。(戦後にどこかの国に囚われている日本兵の元に渡辺はま子が慰問みたいに訪れるという内容だったと思います(うろ覚え))
この蘇州夜曲もドラマ内で歌われているのですが、めちゃくちゃ感動しました。
ちょうどこのドラマが放送された日は家族旅行の最中でして、就寝前の時間でしたが、みんなが談笑してるなか、僕はこの歌のシーンにめっちゃ釘づけになっていたのを覚えています。
すごい引き込まれる感じがしました。
本当に歌詞と旋律の調和がきれいです。
基本的にひとくくりが、5文字と7文字で構成されていて、それがまた一定のリズムで流れるので心地よいのかもしれません。
僕はとくに「水の蘇州の」という、このたった5文字がとっても好きです。僕にとっての蘇州夜曲はこれです。
行ったこともないのに、瞳を閉じれば、美しき水の町が瞼の裏に映し出されます。
川があり、その水は綺麗で、そして、戦争とは無縁の悠久の時間が流れている感じがします。
今回、この曲を選んだのは、前回の「手紙」の時に、アン・サリーさんの動画をリンクとして張ったので、その流れで思いつきました(アン・サリーもこの蘇州夜曲をカバーしています)。
今回もまたアン・サリーさんのバージョンでリンクを張りますね。