5.4 プロレスリングノア 後楽園ホール大会
2019年のゴールデンウィークは、10連休という超長期休暇となり、世間を賑やかしました。
僕のゴールデンウィークの予定としては、前々から興味のあった“ファスティング”に挑戦すること以外、特に予定は決めていませんでしたが、この連休のうちに、格闘技の聖地である後楽園ホールを初体感しようと思い立ち、後楽園ホールの予定をチェック。すると、ノアのグローバルタッグリーグの決勝戦が5月4日に行われることを知ります。
「よし、行こう!」
初めてのノア。
僕にとって、ノアは伝説。
(そこまで言うのに、なぜ今まで一度もノアを観戦していないのかは割愛します。)
さらに、僕が今もっとも応援しているプロレスラー“鈴木秀樹”選手がタッグマッチで丸藤選手と対戦することが発表され、テンションは一気に沸点へと到達しました。
無事にファスティングを終え、そして迎えた5月4日…。
今回の記事の内容は、僕が初めて観戦したノアの大会についての感想となります。
少し早めに会場に入りました。
全試合の結果
感想の前に、まずは、全試合の結果を振り返ってみます。
ちなみに、写真はスマホで撮影したものであり、画質的にはイマイチ。
さらに、席がコーナーポストと選手が重なるという、悪い意味で丁度良い位置でした。
第1試合
〇 大原はじめ vs 熊野 準 ×
(6分25秒 ムイビエン)
僕は知らなかったのですが、大原&熊野のバックブリーカーズは解散することになっていたのですね。
そのケジメの一戦となりました。
熊野選手のラリアットの迫力はすごかったです。隣の席の女の子とその母親も思わず「うわっ!」と声を出していましたね。
第1試合にやんわりとしたり、お笑い系の試合ではなく、それなりに熱くなれる試合をもってくるのは、しっかりとマッチメイクを考えている証拠だと個人的には思っています。
「ムイ!ビエ~ン!」
オリジナルの技名って昔から好みではないので、これをプロレス用語で言うと、「変形逆片エビ固め」もしくは「大原式逆片エビ固め」となるでしょうか。
第2試合
× ロッキー川村&長井満也&クワイエット・ストーム&モハメド ヨネ
vs
(9分17秒 横入り式エビ固め)
いわゆる「明るく楽しいプロレス」でした。
なぜか僕は、よくロッキー選手の試合に遭遇します(笑)。
今回もYO-HEY選手のピンチヒッターだったようですね。
長井選手は、リングス時代からは想像もつかなかったキャラに変貌を遂げていますが、個人的には応援している選手の一人です。
そして井上選手のワールドはもはや名人芸。
最後は、ロッキー選手のラッシュで窮地に陥った井上選手が、一瞬の隙をついてのスクールボーイで3カウント。
こう言うと怒られちゃうかもしれませんが、田中選手は、すごくカッコイイと思うのですが、入場時のタオル1枚が、サウナから出てきた人みたいで、なんか笑えます。
第3試合
〇 火野裕士 vs 稲村愛輝 ×
(13分21秒 Fucking BOMB→体固め)
非常に良い試合でした。
分厚いヘビー級のレスラー同士によるゴツゴツとした戦い。
火野選手が「パシーン!」と強烈な逆水平チョップで会場に悲鳴を上げさせれば、稲村選手も 負けじと胸板へのエルボーで、重く鈍い音を会場に響かせます。
稲村選手は気持ちを前面に押し出し、果敢に火野選手に挑みます。
フィニッシュはファッキンボム!強烈でした。
試合後、リング上で大の字になった稲村選手の元へ火野選手が歩み寄り、なんと、握手を交わし、奮闘を称えておりました。
第4試合
× 宮脇純太&丸藤正道 vs NOSAWA論外&〇 鈴木秀樹
(12分53秒 ダブルアームスープレックス→片エビ固め)
出ました。鈴木秀樹選手。僕が今一番応援しているプロレスラーです。
対するは、丸藤&宮脇組。
驚いたのが、宮脇選手。
リングインするや否や鈴木選手に詰め寄り、鋭い眼光を放ちます。
宮脇選手の気迫を感じました。
(余談ですが、宮脇選手のtwitterでは、前日に鈴木選手著の「キャッチアズキャッチキャン入門」を熟読している様子がアップされてました。)
3.17の博多スターレーンメモリアルマッチにおいて、実力者“小川良成”選手と、シングルマッチで良質なプロのレスリングを繰り広げた丸藤選手と、もはや教授とも言える鈴木選手のマッチアップがこれから始まるのかと思うと、僕はもうワクワクが止まりませんでした(笑)。
ちょっと知ったかぶりして書きますが、全日本プロレス出身者同士の戦いとなった小川戦では、全日本らしくチェーンレスリング(腕の取り合い)を軸にしたレスリングを展開していた丸藤選手ですが、鈴木選手との攻防は、タックルのしのぎ合いからのグランドの攻防がメインとなっていました。
繰り広げられるポジションの奪い合いに、長くプロレスを観てきた者は息を呑み、近年からプロレスファンとなった者にとっては、真新しく、新鮮で、レスリングの本質的な部分を感じたことでしょう。
いや~、すばらしかったですね。
宮脇選手のファイトもこれまた素晴らしく、約20センチもの身長差のある鈴木選手に果敢にファイト!
払い腰からの腕ひしぎ逆十字固めを鈴木選手に極めた瞬間は驚きました。
宮脇選手は、バックボーンである柔道殺法、エルボー、張り手、ミサイルキックなどで鈴木選手に攻撃を仕掛けます。
しかし…
ランカシャー式のエルボー、ワンハンドバックブリーカー等、一発の重い鈴木選手の攻撃の前にグロッキー状態となった宮脇選手。
最後は伝家の宝刀“人間風車”が炸裂!
カウント3。勝利のゴングは鈴木組に送られました。
試合後、お互いマイクアピールがありましたが、なぜか丸藤選手がマイクを持つとOFFられるというネタ?があり、仕方ないので鈴木選手がマイクスタンド代わりになるというサプライズ(笑)がありました。
丸藤選手は鈴木選手への継続参戦を要求。それに鈴木選手も応えていました。
今後が楽しみですね。
ここで、試合とはまったく関係のないお話になるのですが、リングサイドに目を凝らしてみると、とても綺麗でカッコイイ女性カメラマンがいました(写真手前の金髪の女性)。
思わず写真に収めたのですが、どうやら、ノアと西口プロレスのオフィシャルカメラマンのようですね。
以上。
第5試合
vs
(16分12秒 ラリアット→片エビ固め)
観たかった小川良成選手。
馬場さんを、鶴田さんを、天龍さんを、三沢さんを、そしてハル薗田さんを知る男。
そのテクニックに酔いしれ、写真撮るの忘れてしまいました。
鈴木選手と小川選手のツープラトンでは、鈴木選手が三沢さんの役に回り、いわゆる“アンタッチャブル”でみられたムーブが繰り広げられます。
この他にも、相手をコーナーに振って、鈴木選手が背面式のエルボーで飛び込み、リング中央の小川選手にスルー、小川選手がカニ挟みで相手をうつぶせに倒したところを、鈴木選手がジャンピングエルボードロップを落とすという、懐かしのコンビネーションも披露されました。
しかし、最後は、その応援している小川選手がタダスケ選手のラリアットの前に沈みました。
タダスケ選手のラリアットは、鶴田さんのショルダースルー張りに、ほぼやり返される印象がありますが、風貌的にも冬木弘道さんの地団駄ラリアットっぽい感じがして、好きです。
第6試合 セミファイナル
(19分26秒 チキンウイング式キャメルクラッチ)
写真撮れなかったのですが、新調された白いマットは、清宮選手がイメージカラーを変えない限りは、グリーンのマットに還ることになるでしょう。
すごいテープの量でしたし、綺麗でしたね。
まずマイバッハ谷口がコスチュームを変え、マスクを脱ぎ「谷口周平」として入場し、会場がどよめきます。
試合はゴングを待たず、なんと清宮選手が強襲を仕掛けます。
感情を前面に押し出した、悪く言うと「チャンピオンらしくない」展開でしたが、こんなに感情をむき出しにする清宮選手を初めて観た気がします。
4.30の横浜ラジアントホールでの拳王選手の「かませ犬発言」から、まさかの海王コンビ分裂という展開が発生し、因縁の対決へと変貌を遂げた清宮vs拳王。
この二人の戦いは、今後も楽しみですね。
谷口選手も、ジャーマン、そしてまさかのハーフネルソンスープレックス、ダイビングボディプレス等、気持ちのこもった攻撃を魅せてくれてました。
そして最後は、キャメルクラッチの体制からチキンウイングフェイスロックに入るという複合技で北宮選手の口からギブアップを宣言させました。
試合後、拳王選手の呼びかけに、稲村選手、北宮選手、小峠選手が賛同し、「金剛」という反体制系のユニットが結成されました。
この時に拳王選手が、清宮選手に対して「お前は会社の犬だ!」という発言をしますが、まさかこの発言が、メインイベント後のマイクアピールにつながる複線だとは、この時は誰も思いもよりませんでした。
第7試合 メインイベント
GLOBAL TAG LEAGUE 2019 優勝決定戦 時間無制限1本勝負
潮崎 豪&× 中嶋勝彦 vs KAZUMA SAKAMOTO&〇 杉浦 貴
(27分39秒 アンクルホールド)
杉浦貴&KAZUMA SAKAMOTO組が優勝!!
2Fのバルコニーから丸藤選手が見守る中行われた1戦は、潮崎選手のたった一発のチョップで杉浦選手の分厚い胸板が裂けて流血するという、強烈なインパクトから始まりました。
僕個人の予想を裏切り、杉浦選手が捕まり、ほぼロンリーバトル状態になります。
超満員の歓声を受け奮闘する杉浦選手。
雪崩式ブレーンバスター、アンクルホールド、エルボーと、なんとか食らいつく。
しかし、潮崎選手の極悪的なチョップ、中嶋選手の切れ味鋭いキック攻撃で反撃の芽を潰され、そして、AXIZ名物、チョップとキックのサンドイッチ攻撃(これ好き)
この試合は僕の心を大きく動かしました。
普段は黙って静かに観戦するのですが、おもわず歓声を上げてしまいました。
その瞬間がこちら↓
中嶋選手必殺の「ヴァーティカルスパイク」がズバリと決まります。
中山レフェリーの手がマットを叩く!
「ワン!ツ~!…」
そして僕は思わず…
「かえせぇぇええ!」
と、杉浦選手に届けと言わんばかりの声を出しました。
プロレスを観戦して初めての事です。
するとなんと、すんでのところで肩をあげた杉浦選手。
カウント2.9!
場内ストンピング攻撃!
マットを叩き信じられないという表情で悔しがる中嶋選手。
ならばと膝を突く杉浦選手に対してキックを打ち込む中嶋選手。力なくうつ伏せに倒れる杉浦選手。
なんとか起き上がろうと四つんばい状態の杉浦選手。
試合を終わらせようと、中嶋選手が四つんばいの杉浦選手の顔面を蹴り上げようとしたその刹那、なんとここで、そのキック捕獲!
これがラストチャンス!がっちりとアンクルホールドを極めます。
逃れようとする中嶋選手、このチャンスを逃すものかと絞り上げる杉浦選手。
変形のアンクルホールドに移行すると、ここで潮崎選手がカットに入ろうとします。
しかし、SAKAMOTO選手が捕獲。
振りほどいた潮崎選手がSAKAMOTO選手にラリアットを狙ったところを、カウンターの掌低をフルスイングで顔面を打ち抜くSAKAMOTO選手。
カットに入れない潮崎選手。
もがき苦しむ中嶋選手。
そして遂にその時が訪れます。
中嶋選手がタップアウト!
その瞬間、会場が爆発しそうな勢いで歓声に包まれました。
気がつけば僕は、生まれて初めて、プロレスを観戦して涙を流してしまいました。
本当にすばらしい瞬間に立ち会えて、良かったと思います。
というわけで、杉浦&SAKAMOTO組の優勝で、今年のタッグリーグ戦は幕を閉じました。
最後の杉浦選手のマイクアピール。前述した拳王選手の「会社の犬」発言を引用します。
「俺は会社の犬だ。」
「ノアがなければ、俺はここで理想のプロレスができない。」
「ノアがなければみんなこうやって集まってくれない。」
「ノアのために、俺は犬でもなんでもなってやるよ。」
と、発言。
溢れんばかりのノア愛に、みんな大喜びでした。
感想
と言うわけで、僕のノア初観戦は終わりました。
まず最初に感じたのは、「明るく楽しく激しいプロレス」が、時を経てもなお受け継がれているという感じを受けました。
「明るく、楽しい」部分では、井上雅央選手しかり、小峠篤司選手しかり、丸藤選手もそういう感覚はありますね。
「激しい」は、拳王選手やAXIZの二人、清宮選手、杉浦選手など、当然タイトル戦線上にいる選手達。
こうしてみると、全体のマッチメークを通して、各試合にメリハリを効かす事が出来るので、観戦している側としては、飽きずに見続ける事が出来ると思います。
実際、すごく楽しかったですし、熱くなれました。
そして、もうひとつが、凄まじいハードヒットの数々。
火野選手の逆水平チョップ。杉浦選手のエルボー、中嶋選手、拳王選手のキック。
そして、もはや罰ゲームの域に入っている潮崎選手の逆水平チョップ。
一発一発に容赦や躊躇が無く、痛みの伝わるプロレスだなと思いました。
プロレスラーって、これをツアー中はほぼ毎日受けきるのですから、ほんとすごいなと思います。
こういったハードヒットの部分は、四天王プロレスを彷彿させ、人によっては苦手な方もいると思いますが、僕は好きです。
現在ノアは、youtubeの公式チャンネルで数々の試合動画を、しかもフルで配信したり、ライブ配信したりして新たな戦略に打って出ていますが、その動画で観るのと、実際に観戦するのとは全く違う印象となりました。
こんなにも、動画と生とで差があるとは、良い意味で予想を裏切られました。
また、今後の楽しみとしては、金剛に稲村選手が加入したことだと思います。
清宮選手には、同世代&同期のライバルが今のところいません。
三沢さんには川田さんがいて、長州選手には藤波選手がいました。
しかし、清宮選手にはその辺が足りないような気がしていたので、今回の稲村選手の金剛加入は、いい流れだと思います。
拳王選手は?と、思われるかもしれませんが、少し年齢差を感じます。
本音を言えば、清宮選手と稲村選手がタッグを組むところからスタートして欲しかったのですが、まぁ、なにもカラミが無いよりは良いでしょう。
初めて観戦したノアは本当に素晴らしく、また観に来たいという気持ちにさせてくれました。
次回、僕が観れそうなのは8月18日、愛知国際会議場大会。N-1 VICTORYの開幕戦です。
今から楽しみです。
今回の内容は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!