たいらじゅんが日記を書くってよ

名古屋在住ミュージシャンの日記

妹を病院送りにしてしまったあの日

妹の誕生日と「僕らの時代」

 

昨日はジャイアント馬場の命日だった。

ついでに、妹の誕生日だった。

 

いや、

 

昨日は妹の誕生日だった。

ついでに、ジャイアント馬場の命日だった。

 

どっちでもいいか。

 

 

一応、毎年LINEで「おめでとう」ぐらいは伝えるようにしている。

「ようこそ!40代の世界へ!」とも送ったが、どうやらまだ39歳だったらしい。

すんまそ。

 

不思議なもんだ。

正直、両親の誕生日は覚えていないのに、妹のは覚えている。

 

妹が生まれたのは僕が小学1年生の頃だった。

学校から帰ってくるやいなや、祖母が近所の産婦人科に僕を連れて行ってくれた。

 

どんな感情だったか、そこでどんな事があったのか、もう覚えていない。

たぶん、なにが起こっているのか、頭の中で整理できていなかった。

保育器に入っている赤ちゃん。

ベッドの上でしんどそうにしている母。

記憶を探ってみると、このぐらいの事しか覚えていない。

 

ある日、10数年ぶりに故郷である宮古島に帰った時のこと。

どのぐらい街並みが色を変えたのかを知りたくて散歩をしていた時に、妹の生まれた産婦人科の前に差し掛かった。

そこが葬祭場に変貌を遂げていたのを見た僕は、不謹慎ながらも笑ってしまった。

 

誕生の場所が、天への旅立ちの場所へと変わってしまっていた。

そのコントラストがなんとも言えなかった。

(今そこはBARになっているようだ)

 

あれは僕が小学6年生の大晦日の夜。

妹とプロレスごっこをしていた。

なんの技をかけたのか覚えてないけど、妹は腕をしきりに痛がっていた。

やがて「いたい~!いたい~!」と、大泣きを始める。

その痛がり方に「大変なことをしてしまった」と、次第に僕も不安で不安で堪らなくなった。

 

父が仕事から帰ってきてその惨状を目の当たりにし「お前はバカなんじゃないのか!」なんて怒られた気がする。

 

痛いと泣く妹を抱きかかえ、母と父は病院へと向かう。

帰りを待っている間、布団に潜り込んでいた僕は「骨が折れたんじゃないのか?もう治らないんじゃないのか?」と、襲い掛かる感情に飲まれ、泣いていた。

 

2時間後ぐらいだったかな。

病院から戻ってきた妹は元気に笑っていた。

あんなに痛がっていたのに、ケロっとしていた。

少し拍子抜けした。

 

どうやらスジが伸びた状態だったらしく、お医者さんがマッサージしたらすぐ治ったらしい。

 

両親も安堵したのか、もう僕を叱ることはなかった。

 

このエピソードのことを僕は話さないようにしているのだけど、家族が集まると、誰かがこの話しをしだす。

もう、勘弁して(笑)

 

 

現在の妹は結婚していて東京で暮らしている。

僕が東京に遊びに行く時は泊めてもらったり、逆に東京から妹夫妻が名古屋へ遊びに来てくれることもある。

 

妹夫婦。

なんか良いんだよな。

ほっこりするし、良いな~って思える。

 

お互いの距離感が抜群に良い感じがするし、たぶん喧嘩なんかしないんじゃないかな。

ちゃんと通じ合っている感があって、コミュニケーションもしっかり取れている雰囲気がある。

ふわっとした柔らかい性格も、二人とも似ている気がする。

それどころか、生活のペースも似ていて、僕が泊まりに行った時なんて、僕が6時ごろに目を覚ますと、二人はまだ寝ていて、だいたい10時ごろに二人ともほぼ同時に起きだす。

妹は小さな頃から、とにかくよく寝る子だったが、それは大人になってからもそうだ。

そして、旦那さんも同じく、よく寝る。

面白い夫婦だよ。

 

 

なんだか妹をみていると、今さらながら、僕は一人じゃないんだなと思える。

 

去年、妹夫妻が名古屋に遊びに来たときに、僕はこう相談した。

 

「いつかやりたいことがある。二人がどう思うかはわからないけど、いつか僕らと同年代の親戚・従兄弟一同を集めて、規模の大きめな食事会をしたい。どう思う?」と。

 

僕は今年で47歳だ。

当然、親世代も高齢になってくる。

もうすぐ「僕らの時代」がやってくる。

もしかすると僕らの時代は、もう始まっているのかもしれない。

 

小さい頃は、それなりに親戚や従兄弟のみんなと遊んでいた。

でも、大人になってからは全くと言っていいほど会っていない。

皆が何処でどうしているのかも分からない。

僕を含め、散り散りのバラバラになってしまっている。

 

これからは僕らの時代が始まるのだから、2年に一度でも良いから、食事会を開いて交流を深め「なにかあっても皆がいるから大丈夫だ。お互いに助け合っていこう。お祝いの時は皆で心から祝福をしよう。」そんな風に、血の繋がりを大切にしていきたいと、そう考えている。

 

「それ、やりましょう!」

妹はもちろんだけど、旦那さんがそう応えてくれた時、僕は嬉しかったよ。

 

1~2年後にはやりたい。

こういうこと言うのは良くないと思うけど、そろそろ天国へと旅立つ親族も増えてくる。

そうなると、連絡をとる手段も少なくなって、益々疎遠になっていくのではないだろうか?

あまり時間が無いような気がする。

 

それにしても、妹よ。

君はすごいな。

君のことを書こうとしただけなのに、こんなに色んなことが溢れてくる。

ほんとすごい妹だよ。

 

元気にするんよ。

怪我と病気には気をつけるんよ。

旦那さんを大事にな。

 

お誕生日、おめでとう。

 

 

おわり

 

PS:T君、妹が妙なことしたら連絡ください。また病院送りにするから(笑)