たいらじゅんが日記を書くってよ

日記・備忘録、的な。

さぁ、もう一度はじめよう

ある日のことです。
 
金具類がどっさり入った箱を、乱暴に片手で持ち上げた瞬間、想像以上の重量に左の手首が悲鳴を上げました。
痛みは数ヵ月に及び、痛みが消えてから試しにスティックを振ると、、、違和感。
 
痛くはないけど、普段と逆の手で歯磨きをしてるような、そういう違和感。
痛みはないはずなのに、なんだか痛いような気がする。
そんな違和感。
 
もうドラムを演奏しなくなって随分と時間が経っていたし、ここら辺が潮時かな…
そう思い、静かに、誰にも語ることもなく音楽活動を辞めたのです。
 
それから数年後。
あれは去年の年末だったか、今年の頭だったか、、、どっちか忘れちゃったけど、当時は名古屋市の伏見にあった「オキナワAサインバーKOZA」のマスターであるタクさんからTwitterのダイレクトメッセージで連絡がありました。
 
「2月にライブがあるんだけど、ドラム叩かない?」
 
一瞬、躊躇した。
 
全然ドラムなんて触っていなかったし、スティックすら握っていなかった。
でもそんな躊躇は本当に一瞬でした。
 
「宜しくお願いします」
 
あとになって笑ってしまった。
もう音楽活動はしないって決めてたのに、いざオファーがあれば一瞬戸惑っただけで、なんにも考えずに「はい!やります!」なんて、自分のバカさ加減に笑ってしまった。
しかも、そのオファーのやり取りの中で嘘をついた。
 
「はい。ちょこちょこドラムの練習してますよ」と。
(タクさん、嘘ついててごめんなさいm(_ _)m)
 
「あぁ、俺は嘘をついてでもドラムを、そしてライブをやりたかったんだなぁ…」としみじみ思った。
 
結局そのライブはメンバーの体調不良で直前になって中止。
もちろんライブに向けて練習は開始していたので、また声をかけてもらった時にすんなりプレイできるよう、そのままトレーニングは継続。
 
問題だった手の違和感は、グリップ(持ち方)を変えることで一応は解決した。
僕は通常はマッチドグリップといって、スティックを握った時に手の甲が上、または横を向いている、要するに普通のスティックの持ち方でプレイするスタイルでした。
ただそれだとどうしても手首の違和感を感じる(これをイップスというのかな?)。
そこで試しにレギュラーグリップで演奏すると、これが凄くしっくりきた。
(レギュラーグリップとは、ジャズドラマーやマーチングで見かける、左手の甲が下を向いている握りかた)
前に所属していた「琉球ムドン楽団」ではこの握り方で演奏する機会が多かったので、その経験が活きていたのかもしれません。
ただパワーが出にくい握り方なのでロックにはあまり向いていない。
でももうこれでいくしかなかった。
 
 
6月。
僕にとってとても大きな出来事があり、心がだいぶ沈んでいました。
それは、精神的にとても危険な状態なんじゃないのか?と思ってしまうほどの落ち込みようで、無気力で
どこか自暴自棄で、本当に危ない状態だったかもしれません。
そんな時に、またあの言葉が僕を救うのです。
 
「ドラム叩かない?」
 
タクさんからでした。
救われた気がした。
そうだった、僕はまたドラムを始めたいと思っていたのに、なにやってんだろ?って。
そこからまた練習に励むのですが、ちらちらと僕の過去の言葉が胸の中でざわめくのです。
 
「僕が音楽を続けている限り、また会えるよ。」
 
僕は沢山の人にそういう言葉を使っていた気がする。
約束ではないかもしれないけど、でもそれはなんとなく「約束」として、胸の中でじんわりと広がって行くのです。
 
約束、果たさなきゃなぁ…
それに、やっぱりライブをしていることを想像すると、熱い気持ちになったりワクワクしたり、なんていうか「生きてる」って気持ちになれる。
 
ひょっとしたら僕はライブをすることさえできれば、楽器はなんでも良かったのかもしれない。
ベースにギター、ボーカル。
なんでもいい。
ライブが好きというのが、心の奥底に眠っていた真実なんだろうなと思う。
 
11月18日、僕は遂にステージに復帰しました。
そして僕は、この日をもって音楽活動を再開すると決めました。
実は今、ある構想が頭の中にあって、今、一緒にその構想を形にしてくれる仲間を探しているところです。
少し時間はかかるかもしれないけど、諦めずに動き続けるね。
 
こうして音楽活動を再開して、これから一体どんな景色をみることになるのだろう。
新しい出会いがあるかもしれないと思うと、ワクワクする。
いつか寄ったあの街で、また皆と会うことができるかもしれないと思うとワクワクする。
もう44歳だというのに、まるで少年の頃のような感情が僕を突き動かそうとしている。
 
「僕が音楽を続けている限り、また会えるよ。」
 
約束、果たすね。
待っててね。
 
つたない長文を最後まで読んでくれてありがとう。
 
じゅん
 
※写真は18日のライブのセットリスト。
君は何曲わかるかな?

setlist